「筋トレをしているのにタンパク質が足りていない」という状態は、思っているより多くの人に当てはまります。プロテインを買うより先に、毎日の食事でどれだけ摂れているかを把握するのが先決です。
私自身、筋トレを始めたころはプロテインに頼りすぎて、食事全体のタンパク質バランスを意識できていませんでした。飲むだけで安心してしまい、食事の中身をほとんど気にしていなかったのです。意識的に食事から摂ることを習慣にしてから、体の回復が明らかに変わりました。
まず「自分の目標量」を知る
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18〜64歳の推奨量は男性65g/日、女性50g/日とされています。これは健康維持を目的とした最低限の目安であり、筋肉量を増やしたい・維持したいトレーニーにはさらに多い摂取量が必要とされる場合があります。
また同基準では、タンパク質の目標量をエネルギー比率で13〜20%(65歳以上は15〜20%)と定めています。2,000kcal摂る人であれば65〜100g相当です。
まずは「今日何グラム摂れているか」を1〜2日分だけ記録してみることをおすすめします。多くの人が自分の摂取量を過大評価していることに気づくはずです。自分の体重・目的に合わせた目標量を知りたい場合は、タンパク質摂取量計算ツールを活用してください。
食事でタンパク質を積み上げる考え方
タンパク質は一度にまとめて摂っても、体が一度に利用できる量には限りがあります。1食あたり20〜30gを目安に、3食均等に分散させる意識が効果的とされています。
主な食品のタンパク質量の目安は以下のとおりです。
| 食品 | 目安量 | タンパク質量の目安 |
|---|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし) | 100g | 約23g |
| マグロの赤身(生) | 100g | 約26g |
| サバ缶(水煮・固形分) | 100g | 約21g |
| 納豆 | 1パック(約45g) | 約7g |
| 卵 | 1個(約50g) | 約6g |
| 木綿豆腐 | 1/2丁(約150g) | 約10g |
| ブロッコリー(ゆで) | 100g | 約4g |
| ギリシャヨーグルト | 100g | 約10g |
値は文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとにした目安です。製品・調理法によって異なります。
続けやすい食事設計の工夫
主菜を毎食意識する
「ご飯・パン・麺だけ」の食事になっている朝食や昼食を見直すだけで、1日の摂取量は大きく変わります。卵1個・豆腐・サバ缶など、調理の手間がほぼかからない食材を「定番の主菜」として用意しておくのが続けやすい方法です。
私は朝食に毎日卵1個と納豆を食べることを固定ルールにしています。これだけで約13gが確保でき、考えずに動ける「ゼロ判断の習慣」になっています。
コンビニ・外食での選び方を決めておく
サラダチキン、豆腐、サバ缶、卵料理など、選択肢をあらかじめ決めておくと迷いが減ります。コンビニのおにぎりと一緒にサラダチキンを買う、定食でも必ず魚か肉を選ぶ、といったシンプルなルールが効果的です。
ギリシャヨーグルトもほぼすべてのコンビニで取り扱いがあり、手軽にタンパク質を補える食品のひとつです。甘さを抑えたプレーンタイプであれば糖質も少なく、食後の間食として取り入れやすいのでおすすめです。
作り置き・時短で「摂れる環境」を整える
タンパク質を毎日確保するうえで、「食べたいけど準備が面倒」という状況をなくすことが重要です。調理の手間を減らす工夫をしておくと、忙しい日でも自然に摂れるようになります。
- 鶏むね肉:週に一度まとめてゆで、冷蔵保存しておく。そのままスライスして副菜に、サラダのトッピングにと使い回しが効く。茹で汁ごと冷凍するとパサつきを防げるため、まとめて作り置きする際におすすめ
- ゆで卵:一度に4〜5個まとめてゆでておけば冷蔵庫で3〜4日保存できる。朝食や間食にそのまま食べられる
- サバ缶・納豆:加熱不要でそのまま食べられる即戦力食材。常にストックしておくだけで選択肢が増える
「食材を用意する」というハードルを週1回の作業にまとめるだけで、毎日の判断コストが大幅に下がります。
週単位で考える
「今日は少なかった」と焦る必要はありません。1日単位で完璧を求めるより、週単位での平均を意識する柔軟な発想のほうが長続きします。
プロテインは「補助」として使う
食事でどうしても足りない分をプロテインで補うのが本来の使い方です。1食分の食事が薄くなりがちなタイミング(朝食・トレーニング後)に飲む習慣にすると、無理なく総量を確保できます。
トレーニング後にプロテインを飲む習慣は、前回の記事「筋トレを3ヶ月続けるコツ」でも触れた「行動のルーティン化」としても機能します。トレーニングのけじめとして取り入れると、継続のリズムが安定しやすいです。
まとめ
- まず自分の1日の摂取量を把握することから始める
- 推奨量は男性65g・女性50g/日(健康維持の目安)
- 1食20〜30gを目安に、3食に分散させる
- 主菜を毎食意識し「ゼロ判断で動ける定番食材」を決めておく
- プロテインは食事の補助として活用する
参考文献
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」:https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html